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感動の多い 代理店

         「感動の多い代理店。」 

「社民党。党首罷免で連立離脱へ調整。」・・というニュースが 

駅前の電光掲示盤に流れる6月の渋谷。 

 

 

夏至も過ぎ、夜7時をすぎているのにまだまだ夕方並みに明るい。 

 

 

いつものように看板を出し、話しにくる人を待ちながら駅前を通る 

人達を観察する。 

 

 

今さらながら渋谷の駅前は本当に色んな人達がいるなァ。 

イメージ的には「若者の街」みたいな感じがあるけど、 

 

 

おじさんもいればOLもいれば 

塾帰りの小学生もいる。 

 

・・なんて考えていると小さい子供連れの男性が僕の前にいた。 

 

 

・・年は30代後半位だろうか。 

 

 「あなたが「聞き屋」さんですか??」  

 

どう答えようか?(聞き屋はマスコミが考えた僕の通称だ) 

 

 

迷ってる間に「あなたの事を新聞かTVか何かで見ました。 

 

何か人の話を聞くのがスキで色んな人の話をきいてるそうで 

 

・・悩みや愚痴をきいて何か、あなたは 

アドバイスや答えをだしてくれるんですか??

 

 

それより、何のアドバイスもできない僕に、

 

話しかけてきたこの男性は広告代理店に勤める38歳。 

 

 

一緒にいるカワイイ女のコは5歳の実果ちゃん。 

 

 

「このコが生まれてすぐ、妻は病気で先だちまして、 

 

 

去年まではお袋に子育てを任せてたんですが・・ 

お袋も年で腰を悪くして、今年から 

 

 

俺が1人で母親と父親をやらなくちゃいけなくなって・・」 

 

 

 女性の人でも育児は大変だというのに・・仕事しながらだと

 

2、3倍キツイんじゃないだろうか・・。 

 

 

「このコ、すごくエラくてほとんど泣かないんですよ。

 

・・1番母親が必要な時に母親をなくして、寂しかったり 

するハズなんですが・・ 

 

ココにくる途中、軽く転んだんですが・・ 

 

 

それでも我慢して泣かないんですよね」 

 

僕「実果ちゃん転んでも泣かなかったんだァ・・エライね」

 

・・少し擦りむいた足をブラブラさせながら 

 

 

実果「おばあちゃんが「実果が泣いたら・・パパ、ぐっすり眠れないから

 

 ・・泣いちゃダメ」っていっつも言ってた。」 

 

 

高い声でハキハキ話す娘の言葉にパパの方が感動している。 

 

 

「やっぱりこの年のコには母親は必要だし、 

再婚した方がイイですかね?」

 

・・ママが必要なのはどっちなのだろうか・・。 

 

と考えながら僕はこの男性の 

 

話をただただ 聞き続けた。 

 

路上の「お話ききます」への

 

お問い合わせは sakurairo@clear.ocn.ne.jp

 

 

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